何歳から動く?事業承継のベストタイミング

「事業承継はまだ早い」「もう間に合わないかもしれない」──同じ経営者でも、年齢や状況によってこの感覚は大きく違うものです。

結論からお伝えすると、事業承継には「動きやすい時期」が確かに存在します。動き出しが早い経営者ほど、選択肢も交渉も有利に進められる傾向があります。

本記事では、事業承継のベストタイミングを年齢・業績・健康状態の観点から整理し、今日から動くための判断基準を、公的データに基づいて解説します。

「まだ早い」「もう遅い」の共通点

承継の相談現場では、両極端の声を毎日のように聞きます。「まだ早い」「もう遅い」と感じる経営者には、実は共通点があります。

判断を遅らせる思考パターン

  • 業績が悪いときは「立て直してから」と先延ばしになる
  • 業績が良いときは「もう少し稼いでから」とこれも先延ばしになる
  • 体力があるうちは「まだ大丈夫」、体調を崩してから「もう遅い」と感じる

結果として、いつ動いてもよさそうなのに動かないまま時間だけが進む、というパターンに陥りがちです。

60代前半が「黄金期」と言われる理由

事業承継の相談データを見ていると、最も選択肢が広がりやすいのは60代前半とされる傾向があります。

体力・選択肢・企業価値の3拍子

  1. 体力面:交渉と引継ぎを乗り切る体力的余裕がある
  2. 選択肢面:親族内・社内・第三者すべての選択肢を比較できる
  3. 企業価値面:直近の業績と将来計画を自信を持って提示しやすい

社長の高齢化は進行中

帝国データバンクの調査では、社長の平均年齢は過去最高水準で推移しており、60代後半〜70代の経営者比率は年々上昇しています(出典:帝国データバンク「全国「社長年齢」分析調査」)。早く動くほど候補と時間の幅が広がります。

70代・80代でも承継は可能か

結論として、70代・80代でも承継は可能です。ただし、選択肢と進め方に違いが出てきます。

参考
70代以降で比重が高まる第三者承継については、事業承継の第三者承継で会社と雇用を守る方法もあわせてご覧ください。

70代以降の留意点

  • 体調や時間の制約から、スピードを優先したスキームになりやすい
  • 後継者育成型より、第三者承継(M&A)の比重が上がる傾向
  • 株式・財産の整理(相続対策との連動)が同時進行で必要
📌 ポイント
70代・80代の承継では、相続税・贈与税の論点と切り離せません。承継スキームと相続対策を一体で設計することが特に重要になります。

業績好調時に動くべき理由

「業績が悪化してから動く」と考える経営者もいらっしゃいますが、これは交渉上不利になりがちです。

企業価値は業績と未来予測で決まる

買い手は、直近の業績と将来キャッシュフローを基準に評価します。業績が下降している会社は、評価額もそれを反映した水準になりやすいのが現実です。

参考
すでに業績が振るわない場合の対処は、業績不振でも譲渡できる中小企業の事業承継条件で解説しています。
⚠️ 注意
「もう一度盛り返してから売ろう」と考えるほど、結果として体力も時間も削られ、評価が下がる悪循環に入りやすくなります。
「まずは話だけ聞いてみたい」という方も大歓迎です。

4040 VISIONでは、事業承継・M&Aに関する無料相談を随時承っております。ご状況を丁寧にお伺いした上で、最適な選択肢をご提案いたします。

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動き始めのサイン3点

「いつ動くか」を決めるうえで、わかりやすい目安となる3つのサインがあります。

1:自分の引退時期を意識し始めた

体力面・年齢面で「あと何年やれるか」を意識した段階は、最初の検討開始サインです。

参考
経営者の高齢化が進むいま、なぜ早く動くほど有利なのかは経営者高齢化と事業承継60.7歳今動くべき理由で具体的なデータとともに解説しています。

2:後継者候補の不在に気づいた

子・親族・社内のいずれにも明確な候補がいない場合、第三者承継を含めた選択肢の検討を始めるべき時期です。帝国データバンクの調査では、2024年の全国・後継者不在率は52.1%でした(出典:帝国データバンク「全国「後継者不在率」動向調査(2024)」)。

参考
後継者がいない場合の次の一手については、後継者のいない会社がM&Aを選ぶ理由で詳しくまとめています。

3:社内体制の属人化を感じる

「社長がいないと回らない」と感じたら、属人化解消とあわせて承継準備を始める段階です。

先送りの先に待つリスク

「動かない」という選択は、無リスクではありません。

  • 体調を崩してから動こうとしても、交渉のスピードが追いつかない
  • 業績悪化と同時に評価額が下がる
  • 従業員の離職・取引先離脱で承継時の魅力が下がる
  • 相続税対策の準備期間が取れなくなる

税制・補助金との関係

承継のタイミングは、税制と補助金の活用余地にも直結します。

事業承継税制の期限

事業承継税制(特例措置)は、特例承継計画の提出期限などの法令上の期限があります。最新の期限は中小企業庁の公式情報を必ず確認する必要があります(出典:中小企業庁「法人版事業承継税制」)。

参考税制の最新動向については、事業承継の融資4選と補助金活用で詳しく解説しています。

事業承継・引継ぎ補助金

承継後の経営革新・専門家活用などに使える補助金で、最大800万円規模の支給枠が設けられています(出典:中小企業庁「事業承継・引継ぎ補助金」公募要領)。

今月できる第一歩

「いつか」ではなく「今月」できることから始めるのが現実的です。

  1. 自分の引退時期と、引き継ぎたい対象(株式・事業・取引先)を紙に書き出す
  2. 会社の業績・契約・人員を一覧化し、社内資料として整理する
  3. 無料相談窓口や事業承継・引継ぎ支援センターに状況を聞いてもらう
✅ 実践ポイント
完成形を目指す必要はありません。「現状の見える化」と「相談先を持つこと」が、最初の30日でできる確実な第一歩です。

SDアドバイザーズの実績・事例紹介はこちら

承継全体の進め方は、事業承継の流れのページもあわせてご確認ください。

📋 この章のまとめ
・60代前半は選択肢が広がりやすい時期
・業績が良いときに動くと交渉が有利
・先送りはリスクの先送りでもある
「いつ動くか」で迷うなら、まず話を聞いてもらうところから始めませんか。

早く動くほど、選択肢も時間も自分の味方になってくれます。

「まずは話だけ聞いてみたい」という方も大歓迎です。

4040 VISIONでは、事業承継・M&Aに関する無料相談を随時承っております。ご状況を丁寧にお伺いした上で、最適な選択肢をご提案いたします。

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監修:株式会社SDアドバイザーズ 事業承継グループ
私たちSDアドバイザーズ事業承継グループは、外部の企業にM&Aをご支援するコンサルタントではありません。
自社自身が事業承継・M&Aを積極的に活用し、グループ企業を拡大していく譲渡先として活動しています。

「40人の社員がいる会社を40社つくる」というビジョンのもと、実際に譲渡企業の経営者様と向き合い、ともにグループの未来を築いてきた経験と実績が、このコラムの情報の裏付けとなっています。

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