事業承継・M&Aにかかる費用はいくら?手数料の相場と節約方法を徹底解説
「M&Aを考えているけれど、いくらかかるのかまったく見当がつかない」「高い費用を払って本当に元が取れるのか不安だ」——そのようにお感じの経営者の方は、決して少なくありません。
事業承継やM&Aには、仲介手数料・専門家報酬・税金など、さまざまな費用が発生します。費用の全体像を把握しないまま進めると、想定外の出費で計画が狂ってしまうこともあります。
このコラムでは、M&A・事業承継にかかる費用の内訳と相場を、具体的な数字や計算例とともにわかりやすく解説します。また、国の補助金を活用して費用を抑える方法もお伝えします。費用への不安を解消して、安心して一歩を踏み出すための参考にしてください。
目次
目次
- なぜ今、事業承継・M&Aの費用を知ることが重要なのか
- M&A仲介費用の種類と相場一覧
- 成功報酬の計算方法:レーマン方式をわかりやすく解説
- 専門家報酬・デューデリジェンス費用の相場
- 事業承継に関わる税金の種類と概要
- 費用を抑えるための補助金活用法
- 費用に見合うリターンを最大化するために
1. なぜ今、事業承継・M&Aの費用を知ることが重要なのか
後継者不足が深刻化する中小企業の現状
帝国データバンクの「全国『後継者不在率』動向調査(2024年)」によると、全国約27万社を対象とした調査で、後継者が「いない」または「未定」とした企業の割合は52.1%にのぼります。7年連続で改善傾向にあるものの、依然として2社に1社以上が後継者未定という状況です。
また、経営者の高齢化も進んでいます。帝国データバンクの「全国『社長年齢』分析調査(2024年)」では、50歳以上の経営者が全体の81.7%を占め、平均年齢は60.7歳に達しています。2025年には70歳を超える中小企業の経営者が245万人に達するとも言われており(中小企業庁資料)、事業承継は待ったなしの課題です。
| 年度 | 後継者不在率 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2017年(過去最高) | 65.5% | — |
| 2022年 | 57.2% | △1.4pt |
| 2023年 | 53.9% | △3.3pt |
| 2024年 | 52.1% | △1.8pt |
出典:帝国データバンク「全国『後継者不在率』動向調査(2024年)」
alt: 後継者不在率推移グラフ(帝国データバンク2024年調査)
M&Aは増加傾向——「事業承継の王道」に
こうした背景から、M&Aを活用した事業承継が急増しています。レコフデータによると、2024年の日本企業が関与したM&A件数は4,700件と過去最多を更新しました(前年比17.1%増)。また、中小企業庁が設置する「事業承継・引継ぎ支援センター」での成約件数も2024年度に2,132件となり、2015年(209件)から約10倍に増加しています(独立行政法人中小企業基盤整備機構「令和6年度 事業承継・引継ぎ支援事業の実績について」)。
M&Aは「大企業だけのもの」という時代は終わりました。中小企業の経営者にとっても、事業承継の現実的な選択肢として定着しています。だからこそ、費用の全体像をきちんと把握し、資金計画を立てることが不可欠です。
【第1章まとめ】
- 後継者不在率は2024年も52.1%と、依然として2社に1社以上が未定(帝国データバンク調査)
- 2024年のM&A件数は過去最多の4,700件。事業承継手段としてM&Aが定着
- 費用の全体像を知ることが、安心してM&Aを進める第一歩
2. M&A仲介費用の種類と相場一覧
仲介費用には4つの種類がある
M&A仲介会社やフィナンシャル・アドバイザー(FA)に支払う費用は、大きく4種類に分かれます。中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」(令和6年8月改訂)でも、この4分類が基本として示されています。
| 費用の種類 | 発生タイミング | 相場 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ①着手金 | 仲介契約締結時 | 50万〜200万円程度 | 無料の業者も増加。成功報酬に充当する会社もある |
| ②月額報酬 (リテイナーフィー) | 契約期間中、毎月 | 10万〜50万円/月 | 設定しない会社も多い。成功報酬充当型も存在 |
| ③中間金 | 基本合意締結時など | 100万〜300万円程度 | 成功報酬に充当するケースも多い |
| ④成功報酬 | M&A最終契約締結時 | 最低500万〜2,500万円以上(案件規模による) | レーマン方式で算出(次章で詳説) |
出典:中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」(令和6年8月)をもとに作成
alt: M&A仲介費用4種類の相場表
【ポイント】着手金「無料」の落とし穴に注意
近年、着手金や月額報酬を「無料」とするM&A仲介会社が増えています。これは経営者にとって一見メリットに見えます。ただし、成功報酬の最低額が高めに設定されているケースもあるため、契約前に費用体系の全体像を必ず書面で確認しましょう。中小M&Aガイドラインでは、仲介会社に対して手数料に関する重要事項を契約締結前に書面で説明することを義務付けています。
仲介者とFAの違いを理解する
M&A支援機関には「仲介者」と「フィナンシャル・アドバイザー(FA)」の2種類があります。仲介者は売り手・買い手の双方と契約し、双方から手数料を受け取るのが一般的です。一方、FAは売り手または買い手の一方だけと契約し、依頼者の利益を最大化するためにアドバイスします。中小M&Aガイドラインでも、この違いと利益相反のリスクについて明確に説明するよう求めています。
費用面では、仲介者の場合は相手方からも手数料が発生するため、案件全体の費用負担の構造をあらかじめ把握しておくことが大切です。2024年8月改訂の中小M&Aガイドライン(第3版)では、仲介者が自分の依頼者に対して相手方の手数料も開示することが求められるようになりました。
【第2章まとめ】
- 仲介費用は①着手金②月額報酬③中間金④成功報酬の4種類が基本
- 費用体系は仲介会社によって大きく異なる。必ず複数社で比較しよう
- 仲介者とFAの違い、相手方の手数料も含めた総費用を事前に確認することが重要
3. 成功報酬の計算方法:レーマン方式をわかりやすく解説
レーマン方式とは何か
M&Aの成功報酬は「レーマン方式」という計算方法で算出されることが一般的です。レーマン方式とは、取引金額に応じて報酬の料率が段階的に変わる仕組みです。取引金額が大きくなるほど料率が低くなります。
中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」(令和6年8月)では、以下の料率が例示されています。
| 基準となる価額(取引金額) | 乗じる割合(料率) |
|---|---|
| 5億円以下の部分 | 5% |
| 5億円超〜10億円以下の部分 | 4% |
| 10億円超〜50億円以下の部分 | 3% |
| 50億円超〜100億円以下の部分 | 2% |
| 100億円超の部分 | 1% |
出典:中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」(令和6年8月)
alt: レーマン方式の料率表(中小M&Aガイドライン例示)
具体的な計算例で確認する
実際にいくらになるのか、計算例で確認してみましょう。
【計算例①】取引金額が1億円の場合
1億円 × 5% = 500万円
ただし、多くの仲介会社では最低手数料(最低報酬)が設定されています。最低報酬の相場は500万〜2,500万円程度と幅がありますので、取引金額が小さい場合は最低報酬額が適用されるケースが多いです。
【計算例②】取引金額が3億円の場合
3億円 × 5% = 1,500万円
【計算例③】取引金額が8億円の場合(中小M&Aガイドライン例示)
5億円 × 5% = 2,500万円
3億円(残り)× 4% = 1,200万円
合計:3,700万円
「基準となる価額」の違いに注意
レーマン方式で注意が必要なのは、「基準となる価額(何を取引金額とするか)」が仲介会社によって異なる点です。中小M&Aガイドラインでは、①譲渡額(株式価額)、②移動総資産額(譲渡額+負債額)、③純資産額などが採用されています。
同じ取引でも、基準の取り方によって成功報酬が大きく変わります。たとえば、負債を含む「移動総資産額」を基準とすると、株式価額を基準とするより大幅に報酬が高くなります。契約前に必ず「どの基準を使うか」を確認してください。
【注意】最低手数料の確認を忘れずに
中小企業のM&Aでは、レーマン方式で計算した報酬が少額になる場合でも、「最低手数料(最低報酬)」が適用されます。相場は500万〜2,500万円程度と幅が広く、依頼する仲介会社によって大きく異なります。契約前に必ず最低報酬の有無と金額を書面で確認しましょう。
【第3章まとめ】
- 成功報酬はレーマン方式が一般的。5億円以下は5%、金額が大きいほど率が下がる
- 「基準となる価額」が株式価額か移動総資産額かで報酬額が大きく変わる
- 小規模案件では最低手数料(500万〜2,500万円程度)が適用されることが多い
- 複数の仲介会社から見積もりを取り、比較することが費用節約の基本
4. 専門家報酬・デューデリジェンス費用の相場
M&Aには複数の専門家が関与する
M&A・事業承継を進めるには、仲介会社だけでなく、税理士・公認会計士・弁護士・司法書士など、さまざまな専門家のサポートが必要になります。それぞれの費用の目安を確認しておきましょう。
| 専門家 | 主な役割 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 税理士・公認会計士 | 税務・会計のアドバイス、企業価値評価 | 月額10万円〜 / スポット50万〜300万円 |
| 弁護士 | 契約書作成・レビュー、法的リスク確認 | 30万〜200万円程度 |
| 司法書士 | 株式移転・登記手続き | 5万〜30万円程度 |
| デューデリジェンス (DD)費用 | 財務・法務・税務など対象会社の調査 | 中小企業:10万〜200万円程度 (規模・調査範囲により異なる) |
各種専門家費用の参考相場。個別の案件内容によって大きく変動します
alt: M&A専門家費用一覧表
デューデリジェンス(DD)とは何か
デューデリジェンスとは、M&Aの実施前に買い手側が売り手企業の財務・法務・税務・労務などを詳しく調べる「精密調査」のことです。簡単に言えば「買う前の徹底調査」です。隠れた債務や法的リスクを事前に発見し、適正な価格交渉のための根拠を固めることが目的です。
中小企業の場合、財務DDと法務DDを組み合わせて実施するケースが多く、費用の目安は規模や調査範囲によって10万〜200万円程度とされています(中小M&Aガイドライン参考)。大規模案件になると300万円以上になることもあります。
【ポイント】DDはコストではなく「安心への投資」
DDを省略すると、M&A後に隠れた債務や訴訟リスクが発覚し、想定外の損害を被ることがあります。費用を惜しまず、信頼できる専門家に依頼することで、M&Aの失敗リスクを大幅に下げられます。中小M&Aガイドラインも、DDの実施を強く推奨しています。
企業価値評価(バリュエーション)の費用
M&Aでは、売り手の企業価値(会社がいくらで売れるか)を算定する「企業価値評価(バリュエーション)」も重要なプロセスです。この費用は、簡易評価であれば仲介会社が無料で対応するケースもあります。一方、第三者の専門機関に依頼する場合は30万〜100万円程度かかることがあります。
自社の適正な価値を把握することで、過度に低い金額での売却を防ぐことができます。まずは無料相談を活用して、大まかな価値感を把握するところから始めてみましょう。
5. 事業承継に関わる税金の種類と概要
事業承継の方法によって税金が変わる
事業承継にかかる税金は、承継の方法(M&A・贈与・相続など)によって大きく異なります。ここでは、代表的な税金の種類と概要を整理します。なお、具体的な税額計算は個々の状況によって変わりますので、必ず税理士・公認会計士などの専門家にご相談ください。
| 税金の種類 | 発生するケース | 概要 |
|---|---|---|
| 譲渡所得税 (所得税・住民税) | 株式譲渡によるM&A(売り手) | 売却益(株式譲渡益)に対して約20.315%の申告分離課税 |
| 法人税等 | 事業譲渡(売り手法人) | 売却益が法人の収益として課税対象になる |
| 消費税 | 事業譲渡(棚卸資産・設備等の譲渡) | 課税資産の譲渡には消費税が発生する(株式譲渡は不課税) |
| 相続税 | 相続による事業承継 | 自社株式・事業資産を相続した場合。事業承継税制の活用で猶予・免除も可能 |
| 贈与税 | 生前贈与による事業承継 | 後継者へ株式を贈与する場合。事業承継税制で贈与税の猶予も可能 |
税率・詳細は税制改正により変更となる場合があります。必ず税理士等にご確認ください
alt: 事業承継に関わる税金の種類一覧表
M&A(株式譲渡)の売り手にかかる税金
中小企業のM&Aで最も多いスキームが「株式譲渡」です。株式譲渡の場合、売り手オーナーは会社の株式を売却するため、売却益(譲渡益)に対して約20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)の申告分離課税がかかります。
一方、事業譲渡の場合は、法人として売却益に法人税等が課税されるほか、棚卸資産や有形固定資産の譲渡には消費税もかかります。スキームの選択によって税負担が大きく変わるため、早めに税理士に相談することをお勧めします。
【ポイント】事業承継税制を活用すると相続税・贈与税が猶予される
親族内承継の場合、「非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予及び免除の特例(事業承継税制)」を活用すると、後継者が引き継いだ自社株の贈与税・相続税が猶予(一定条件で免除)されます。中小企業庁の支援策の一つです。適用要件や手続きは複雑ですので、早めに税理士や事業承継・引継ぎ支援センターにご相談ください。
6. 費用を抑えるための補助金活用法
「事業承継・M&A補助金」とは
国は事業承継・M&Aを促進するために、中小企業向けの補助金制度を設けています。令和6年度補正予算から、従来の「事業承継・引継ぎ補助金」が「事業承継・M&A補助金」に名称変更され、内容も拡充されました。
この補助金は、M&Aに要する専門家費用や、事業承継後の設備投資などを国が一部補助するものです。うまく活用すれば、M&Aにかかる費用負担を大きく軽減できます。
| 支援枠 | 対象者 | 補助上限額 | 補助率 | 対象経費の例 |
|---|---|---|---|---|
| 事業承継促進枠 | 5年以内に親族・従業員承継を予定 | 800万円(賃上げ実施で1,000万円) | 2/3または1/2 | 設備投資費用、改築費用など |
| 専門家活用枠 | M&Aで経営資源の譲渡・譲受を予定(売り手・買い手) | 600万円 | 2/3または1/2 | M&A支援業者への手数料、セカンドオピニオン費用など |
| PMI推進枠 | M&A後の経営統合(PMI)を進める企業 | 600万円〜(類型により異なる) | 2/3または1/2 | 統合支援専門家費用、システム統合費用など |
| 廃業・再チャレンジ枠 | 事業承継に伴い廃業し再チャレンジを目指す方 | 150万円 | 2/3または1/2 | 廃業支援費、在庫廃棄費、解体費など |
出典:中小企業庁「事業承継・M&A補助金(令和6年度補正予算)概要」「事業承継・引継ぎ補助金(第10次公募)公募要領」をもとに作成。補助上限・補助率等は変更になる場合があります。最新情報は中小企業庁の公式サイトでご確認ください
alt: 事業承継・M&A補助金の支援枠一覧表
補助金活用の具体的イメージ
たとえば、M&Aで会社を売却する場合(売り手として)、仲介会社への手数料が500万円かかったとします。専門家活用枠(売り手支援類型)を活用して補助率2/3が適用されれば、約333万円が補助され、自己負担は約167万円に抑えられる計算になります(上限600万円の範囲内)。
ただし、補助金の申請には一定の要件があり、申請できる期間も限られています。検討の早い段階から、事業承継・引継ぎ支援センターや顧問税理士に相談し、補助金の活用可能性を確認することをお勧めします。
【活用事例イメージ】製造業・60代経営者Aさんのケース
後継者不在に悩んでいたAさん(製造業・従業員15名)は、M&A仲介会社に相談し、同業の中堅企業への株式譲渡を決断。仲介手数料として800万円が発生しましたが、「専門家活用枠(売り手支援類型)」を申請。補助率1/2の適用で400万円の補助を受け、費用負担を大幅に軽減できました。事業・従業員を守りながら、希望の条件で承継を実現しています。
(※本事例はイメージです。実際の補助額は要件・審査内容により異なります)
その他の費用節約ポイント
補助金以外にも、費用を抑えるためのポイントがいくつかあります。
まず、複数のM&A仲介会社に相見積もりを取ることが基本です。中小企業庁の「M&A支援機関登録制度」のデータベース(2024年以降、手数料体系の公開が義務化)を活用すれば、各社の料金を比較検討しやすくなっています。
次に、事業承継・引継ぎ支援センター(国の公的機関)を活用する方法もあります。センターでは、初期的なマッチング支援を無料または低コストで受けられます。「まずは無料で相談したい」という方には最適な窓口です。
【第6章まとめ】
- 「事業承継・M&A補助金」の専門家活用枠で、M&A仲介手数料の最大2/3(上限600万円)を補助
- 事業承継促進枠は設備投資費用の補助上限800万円(賃上げ実施で1,000万円)
- 複数の仲介会社の相見積もりと、公的機関(事業承継・引継ぎ支援センター)の活用で費用を節約
- 補助金の要件・公募期間をあらかじめ確認し、早めに準備を始めることが重要
7. 費用に見合うリターンを最大化するために
費用は「コスト」ではなく「投資」と考える
M&Aや事業承継の費用を見ると、「高い」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、費用は事業の継続・成長、従業員の雇用の維持、そして自分自身の老後の安心を守るための「投資」です。
たとえば、M&Aで会社を適正な価格で売却できれば、引退後の生活資金が確保できます。専門家を適切に活用してリスクを低減すれば、M&A後のトラブルによる追加費用も回避できます。目先の費用だけでなく、中長期的なリターンで判断することが大切です。
費用総額の目安を把握する
中小企業のM&Aにかかる費用を総合的に試算すると、案件の規模や専門家の関与度によって差はありますが、一般的な目安は以下のとおりです。
| 費用項目 | 目安金額 |
|---|---|
| 着手金 | 0〜100万円(無料業者も増加) |
| 中間金・月額報酬 | 0〜200万円 |
| 成功報酬 | 500万〜1,500万円程度 |
| デューデリジェンス費用 | 30万〜200万円 |
| 弁護士・税理士費用 | 50万〜200万円 |
| 合計(概算) | 600万〜2,000万円程度 |
| 補助金活用後(目安) | 200万〜1,400万円程度(専門家活用枠上限600万円を活用した場合) |
上記はあくまでも概算目安です。実際の費用は仲介会社・専門家の選定、案件内容により大きく異なります
alt: 中小企業M&A費用総額の目安一覧表
M&Aを成功させるために最も重要なこと
費用を理解した上で、M&Aを成功させるために最も重要なのは「信頼できる専門家・支援機関と早めに連携すること」です。
中小M&Aガイドラインでは、M&A支援機関に登録された業者の活用を推奨しています。登録業者は、手数料体系の開示や利益相反防止など、一定の基準を満たすことが求められています。中小企業庁のM&A支援機関登録データベースを活用して、複数の業者を比較検討してみてください。
また、まずは費用ゼロで始められる「事業承継・引継ぎ支援センター(全国各地に設置)」への相談も有効です。センターでは、中立的な立場からM&Aや事業承継に関するアドバイスを受けられます。
【費用を無駄にしないための5つのチェックポイント】
- 複数のM&A仲介会社・FAに相見積もりを依頼し、費用体系を比較する
- 「基準となる価額」の定義を契約前に書面で確認する
- 最低手数料(最低報酬)の有無と金額を必ず確認する
- 「事業承継・M&A補助金」の活用可能性を早い段階で専門家に確認する
- 公的機関(事業承継・引継ぎ支援センター)の無料相談も活用する
【第7章まとめ:費用のかかる事業承継・M&Aを賢く進める】
- M&Aの費用は「コスト」ではなく、事業・従業員・自分の未来を守る「投資」
- 中小M&Aの費用総額は規模によるが、概算600万〜2,000万円程度。補助金で軽減可能
- 中小M&Aガイドライン登録業者を活用し、透明性の高い支援を受けよう
- 早めに動くほど、良い条件・良い相手先を選ぶ余裕が生まれる
まとめ:費用の不安を解消して、次の一歩を踏み出しましょう
事業承継・M&Aにかかる費用は、一見高額に見えるかもしれません。しかし、費用の内訳と相場を正しく理解し、補助金や公的支援を活用することで、負担は大幅に軽減できます。
また、費用を投じて信頼できる専門家と進めることで、M&Aの成功確率は大きく上がります。事業の継続、従業員の雇用の維持、そして経営者ご自身の安心ある未来のために、費用は十分に見合う「投資」です。
重要なのは「早く動くこと」です。後継者探しや買い手探しには時間がかかります。準備の時間が長ければ長いほど、選択肢が広がり、良い条件での承継が実現しやすくなります。
費用はかかりますが、補助金や税制優遇で負担を軽減できます。投資に見合うリターンが必ず得られます。SDアドバイザーズでは、費用の相談から最適な承継プランのご提案まで、経営者様に寄り添った支援を提供しています。まずはお気軽にご相談ください。
参考資料・出典
- 帝国データバンク「全国『後継者不在率』動向調査(2024年)」(2024年11月)
- 帝国データバンク「全国『社長年齢』分析調査(2024年)」
- 中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」(令和6年8月)
- 中小企業庁「中小M&Aガイドライン改訂(第2版)に関する概要資料」(令和5年9月)
- 中小企業庁「事業承継・M&A補助金(令和6年度補正予算)概要」
- 中小企業庁「事業承継・引継ぎ補助金(第10次公募)公募要領」
- 独立行政法人中小企業基盤整備機構「令和6年度 事業承継・引継ぎ支援事業の実績について」
- レコフデータ「マーケット情報(2024年)」
- 中小企業庁「中小企業白書2025年版」