中小企業の事業承継・M&A後の統合プロセス(PMI)|長期的な成功のための実践的アプローチ

事業承継やM&Aは、契約が成立した時点で終わりではありません。
むしろ本当のスタートは、その後に訪れます。

PMI(Post Merger Integration:ポスト・マージャー・インテグレーション)とは、M&Aや事業承継が完了したあとに行われる「統合プロセス」のことです。組織や文化、人の関係性、業務の統一を含めて「一つの会社として事業を運営できる体制」を構築する取り組みを指します。
数字や契約条件だけでは測れない、人と組織の統合こそがPMIの本質です。

SDアドバイザーズでは、M&Aをして終わりではなく、その会社を持ち続け、一緒に成長し続けることを大前提にPMIに特に力を入れて取り組んできました。
本記事では、中小企業の事業承継・M&AにおけるPMIの考え方と、実際の取り組み事例をご紹介します。


SDアドバイザーズがPMIに力を入れている理由ー事業承継とPMIの関係

SDアドバイザーズでは、M&A後のPMI(統合プロセス)に特に力を入れています。 その理由は、M&Aを「いずれ売却するための手段」ではなく、 「持ち続けて共に成長し続ける関係」と考えているからです。

──なぜ、そこまでPMIを重視しているのでしょうか。

当グループでは、M&Aを「いずれ売却するための手段」だとは考えていません。
その会社を持ち続けて、一緒に成長し続けることが大前提です。

だからこそ、短期的な効率やスピードよりも、長期的にどうすれば一緒に良くなっていけるかを考えます。
PMIは、そのための準備期間だと思っています。

── 「一緒に成長する」というのは、どんなイメージでしょうか。

会社の純資産を、社員と一緒にコツコツと積み上げていくことだと思っています。
それは企業価値を上げていくということでもあります。

企業価値が上がると、社員たちが「できること」が増えていきます。
組織が拡大することで新しい業務が生まれたり、新しいポジションが増えたりしますが、それは社員にとってチャレンジできる場所が増えるということだと思っています。

── 企業価値を上げることで、社員と一緒に成長のメリットを得られるのですね。

そうですね。
加えて、純資産を積み上げることは企業の信用力にもつながり、金融機関との関係を考えても非常に重要だと感じています。
結果として、投資や資金調達もしやすくなります。


PMIの難しさと向き合い方ーPMIが失敗しやすい理由

PMIは多くの企業が課題を感じる領域です。 特に中小企業では、人と人との関係性づくりが最大の難所となります。 ここでは、PMIの難しさと、それを乗り越えるための考え方をお伝えします。

── 実際にPMIを進める中で、一番難しいと感じる点はどこでしょうか。

一番難しいのは、社員との関係性づくりです。
M&A後のPMIでは、最初は「誰だ、お前は」と思われるのが普通だと思います。

だから関係性はゼロからではなく、正直マイナスからのスタートです。
そこからプラスの関係に持っていくのは、なかなか大変ですね。

── その状況を、どうやって乗り越えてきたのでしょうか。

PMIで関わる社員は本当に多種多様なので、「このノウハウを使えばうまくいく」という汎用的なPMIの進め方は正直ないと思っています。
最後は、本気で一緒にやっていきたいと思っているかどうか、その覚悟と熱量に尽きると思います。

理論やセオリーは大事ですが、最後の最後は気持ちですね。


PMIで特に大切にしている考え方ーPMIの進め方・長期視点

PMI成功の鍵は「時間をかけること」だと考えてます。 急激な変化は社員の反発を招き、統合を困難にします。 SDアドバイザーズが実践する、長期的な視点でのPMIアプローチをご紹介します。

── PMIを進めるうえで、特に大切にしていることは何でしょうか。

とにかく長い時間をかけて行うことです。
PMIの中では、関係性も環境も少しずつ変わっていきますが、その変化を急激に起こさないことをとても大事にしています。

急に変えてしまうと、社員からの反発が起きやすく、結果としてPMIがうまくいかなくなることが多いと感じています。
一緒に成長していきたい仲間たちと対立してしまっては本末転倒です。

── 最初から、今のようなPMIの考え方だったのでしょうか。

いえ、1社目のときは違いました。
当時は、いわゆる100日プランくらいの感覚でしたね。

100日プランとは、M&A後の最初の100日間で方針や体制を一気に固めていくPMIの進め方ですが、実際にやってみると、それだけでは足りないと痛感しました。

人と人との関係づくりは、1年や2年かけて向き合わないと難しいです。
2年間かけて丁寧に人間関係を築き、社員が自ら「これから会社をどうしていきたいか」を自分たちの言葉で話すようになったときに、PMIの完了を実感しました。
誰にも言いませんでしたが、一人で成功を噛み締めた瞬間でした。


PMIの実際の取り組み事例ー事業承継・中小企業PMIの現場

マイナスからスタートする社員との関係を、いかにプラスに転換するか。 ここでは、SDアドバイザーズが実際に行っている具体的なPMI施策と、その現場での取り組みについてご説明します。

── マイナスから始まった関係を、プラスに持っていくために最初にやることは何でしょうか。

まずは、私たちのことを知ってもらうことです。
誰だか分からない人間に「あれをやれ、これをやれ」と言われても、嫌ですよね。

私がどういう人間なのか、当グループがどういう考え方の会社なのか、M&A後にどんな経営スタンスを取るのかを最初に伝えます。

── どのような形でコミュニケーションを取られているのですか。

個別面談をすることもありますし、少人数で話すこともあります。
場合によっては、全体説明会や懇親会、テーマを決めたディスカッションの場を設けることもあります。

社員の雰囲気やタイプを見ながら、その人に合っていると感じる関わり方を選んでいます。

── 逆にPMIの場面で、譲渡企業にお願いしていることはありますか。

正直、ほとんどありません。
まずは私たちを知ってもらい、受け入れてもらうことが先だと思っています。

こちらから「協力してください」とお願いする段階ではありませんし、PMI初期では関係づくりが最優先です。


SDアドバイザーズにとってのPMIとはーPMIの定義

SDアドバイザーズは、PMIを単なる業務統合ではなく、 社員と共に歩む長期的な関係構築の準備期間と捉えています。 ここでは、改めて当社のPMIに対する考え方をお伝えします。

── 改めて、SDアドバイザーズにとってPMIとは何でしょうか。

今後、社員と一生を共に過ごし、一緒に成長していくための準備期間だと思っています。

準備期間を経て、関係性を作り足並みを少しずつ揃える。その上で社員と一緒に、コツコツと成長していきたいと考えています。


おわりに

SDアドバイザーズでは、事業承継やM&Aを「終わり」ではなく、「これから始まる長い関係の入口」と捉えています。
中小企業の事業承継において、会社を持ち続け、人とともに成長していくことを前提に、これからもPMIに向き合っていきます。

事業承継・M&A・PMIに関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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代表取締役 高木栄児