【2026年3月号】後継者不在率50.1%・加速する「脱ファミリー化」とM&A最新動向

2025年の後継者不在率は50.1%を記録し、8年連続で改善が続いているものの、まだまだ後継者不足は大きな問題となっています。さらに注目すべきは、事業承継の形態に大きな変化が現れていることです。今月号では、「脱ファミリー化」と呼ばれる新しい潮流を中心に、最新の統計データと支援制度をお届けいたします。


事業承継PRサイト、Youtubeチャンネルを公開しました!

2025年2月より、事業承継に特化したPRサイトとYouTubeチャンネルを新たに開設いたしました。

SDアドバイザーズが事業承継に対してどのような思いで向き合っているか——その熱量をより多くの方に直接お伝えしたいという思いから、今後もさまざまなコンテンツを発信していく予定です。

YouTubeチャンネルでは第一弾として、代表・高木による「事業承継への思い」を公開しています。後継者問題や会社の将来について、少しでも気になっていらっしゃる方は、ぜひ一度ご覧いただければ幸いです。

このニュースレターもそのひとつとして、SDアドバイザーズの1ヶ月の取り組みと、事業承継・M&Aをめぐる社会の動きを毎月お伝えしていきます。


特集コラム:後継者不在率50%――中小企業の事業承継に起きている歴史的転換

帝国データバンクが2025年11月に発表した最新調査によると、全国の後継者不在率は50.1%となりました。前年の52.1%から2.0ポイント低下し、7年連続で改善が続いています。

しかし、数字の裏側にある変化こそが今注目すべき点です。2025年の速報値では、血縁によらない役員・社員への「内部昇格(36.1%)」が、長らく主流だった「同族承継(32.3%)」を初めて上回りました。これが「脱ファミリー化」と呼ばれる現象です。

コロナ禍、物価高騰、人手不足、地政学リスクといった経営環境の激変を背景に、自社の子どもや親族に経営を引き継がせることへの躊躇が広がっています。代わりに台頭しているのが、長年会社を知り抜いた社員・役員への承継と、M&Aによる第三者への事業譲渡という選択肢です。この転換は、日本の中小企業における事業承継の歴史的な分岐点と言えます。

後継者不在率改善を支える2つの背景

① 支援センターの全国普及
全国47都道府県の事業承継・引継ぎ支援センターが累計15万者超の相談に対応。2025年度の第三者承継成約件数は2,132件と過去最高を記録しました。

② 地域金融機関の積極的関与
メガバンクをメインバンクとする中小企業の後継者不在率は44.2%と全国平均を大きく下回ります。資金調達を含めた支援ネットワークが機能しています。

依然として残る課題

企業規模による格差は解消していません。小規模企業の後継者不在率は57.3%と全国平均を上回り、改善ペースも大企業に比べて鈍い状況です。特に地方の高齢経営者を中心に「そもそも承継を望まない」層も一定数存在しており、丁寧なマッチングと早期の対話開始が急務です。

出典:帝国データバンク「全国『後継者不在率』動向調査(2025年)」
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20251121-successor25y/

出典:独立行政法人中小企業基盤整備機構「令和6年度 事業承継・引継ぎ支援センターの実績について『第三者承継(M&A)の成約件数が過去最高を更新』」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001727.000021609.html


事業承継税制の特例承継計画、提出期限は2026年3月31日まで

令和6年度税制改正により、法人版・個人版事業承継税制の特例承継計画の提出期限が2026年3月31日まで延長されました。法人版は2027年12月末までに、個人版は2028年12月末までに事業承継を実行する必要がありますが、この制度を活用することで贈与税や相続税の100%納税猶予が受けられます。

まだ計画書を提出していない方は、今すぐ準備を始めることをお勧めします。

出典:中小企業庁「法人版事業承継税制(特例措置)」
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/shoukei_enkatsu_zouyo_souzoku.html


事業承継・M&A補助金 第13次公募の採択結果が発表

2026年1月15日、第13次公募の採択結果が発表されました。申請481件に対し293件が採択され、採択率は約61%でした。内訳は事業承継促進枠111件、専門家活用枠163件、PMI推進枠19件となっています。

交付申請の受付は2026年1月21日から開始されており、5月29日まで受付が続きます。採択されなかった方も、次回公募に向けた準備を今から進めることが重要です。

出典:事業承継・M&A補助金事務局
https://shoukei-mahojokin.go.jp/r6h/


政府、創設予定のM&A資格、信金・信組に取得促す

政府は、中小企業の事業承継やM&Aの信頼性を高めるために創設を計画している資格制度「中小M&Aアドバイザー試験(仮称)」について、全国の信用金庫や信用組合のM&A担当職員に積極的な取得を促す方針です。

M&Aをめぐるトラブルから中小事業者を守ると同時に、高齢化が進み後継者不在で廃業する前の早期フェーズで、安心して企業売却を相談できる環境整備を急いでいます。

制度の創設を進める中小企業庁は、成約手数料を受け取った後には付き合いがなくなるM&A仲介業者と異なり、地域の信金・信組が長期的な関係性を持って支援できる点を重視しています。近年問題となっている悪質な仲介業者によるトラブルを防ぎ、M&A市場の健全化・活性化を促すことが目的です。地域に密着した信金・信組がこの資格を取得することで、中小企業の経営者が廃業を選ぶ前に気軽に相談できる窓口の拡充が期待されます。

出典:ニッキン「政府、創設予定のM&A資格、信金・信組に取得促す」(2026年2月13日号)
https://www.nikkin.co.jp/nikkin_m/media/policy/a6097


成功事例:早期着手で計画的な承継を実現――兵庫県の金属加工メーカー

兵庫県の金属加工メーカーの経営者は、60代後半から事業承継の必要性を感じていながらも、多忙な日常業務の中で先送りを続けていました。

経営者が70代に入ると、取引先から承継計画の早急な提出を強く求められる事態に。商工会の紹介で専門家のサポートを受けながら承継計画を策定する中、経営者が重篤な病気を患うというトラブルも発生しました。それでも専門家チームの継続的な支援により、最終的に無事に事業承継を果たすことができました。

この事例が示すのは、「取引先に迫られてから」「体調を崩してから」では選択肢が大幅に狭まるということです。承継準備の理想的なスタートは、経営者が心身ともに余裕のある60代前半。早ければ早いほど、自分の意志で最善の選択ができます。

出典:経済産業省 中小企業庁「事例から学ぶ!事業承継」
https://mirasapo-plus.go.jp/hint/18667/

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